mr プロキシ オブジェクトの作成
 
 
 

mr プロキシは、3D の木などのハイ ポリゴンのオブジェクトのインスタンスをシーンに多数使用する場合に便利です。プロキシ オブジェクトを使用すると、レンダリング時に mental ray 形式に変換する必要がなく、ソース オブジェクトも必要ないため、時間とメモリ使用量を節約できます。

このレッスンでは、木を mr プロキシ オブジェクトとして使用できるように .mib 形式に変換します。

レッスンの準備:

シーンをレンダリングする:

  1. 木のオブジェクトがビューポートいっぱいに表示されるように、 ズームおよび パンします。
  2. シーンをレンダリングします。

    シーン内の 8 本の木は、冬、春、夏、秋の 4 つの季節の樹木を表しています。前列の木はオーク、後列の木は楡です。

    これらの木は、 ビルボードの木のマップの作成のレッスンで説明した方法で作成し、テクスチャを適用したものです。唯一の違いは、各ツリーをビューポートの中心に配置してレンダリングする必要がなかったという点だけです。mr プロキシの方法では、レンダリングされたビットマップではなく、参照されるジオメトリを使用して作業します。

  3. レンダリング フレーム ウィンドウを閉じます。

マテリアルをライブラリに保存する:

レンダリング結果で確認した木のマテリアルを mr プロキシ オブジェクトで再利用する必要があります。これを行なう最適な方法は、ライブラリにマテリアルを保存することです。そうすることで、さまざまなシーンや状況で使用するためにアクセスできるようになります。

  1. スレート マテリアル エディタを開きます。
  2. 左側の[マテリアル/マップ ブラウザ]パネルで、[シーン マテリアル]グループまでスクロールします(ブラウザ パネルの端をドラッグして幅を広くすると便利です)。

    保存したいのは、この 4 つの Tree マテリアルです。

  3. Tree-Fall エントリを右クリックして、ポップアップ メニューから[コピー先] [テンポラリ ライブラリ]を選択します。

    [テンポラリ ライブラリ]グループが作成され、ブラウザ パネルの下部に表示されます。[テンポラリ ライブラリ]には Tree-Fall マテリアルがコピーされています。

    重要:このような[テンポラリ ライブラリ]は、現在の 3ds Max セッションの間だけ存続します。
  4. [テンポラリ ライブラリ]のラベルを右クリックし、ポップアップ メニューから[名前を付けて保存]を選択します。

    ファイル ダイアログ ボックスが開きます。必要に応じて、プロジェクト フォルダの \materiallibraries サブフォルダに移動し、ライブラリ名として mytrees と入力し(マテリアル ライブラリのファイル名拡張子は MAT)、[保存]をクリックします。

  5. ブラウザ パネルの上部で ([マテリアル/マップ ブラウザ オプション])をクリックします。ポップアップ メニューが開きます。ポップアップ メニューで[マテリアル ライブラリを開く]を選択します。

    別のファイル ダイアログ ボックスが開きます。\materiallibraries サブフォルダから、作成したマテリアル mytrees.mat を選択して[開く]をクリックします。

    ブラウザ パネルの一番上に mytrees.mat のグループが開きます(パネルの下部の[テンポラリ ライブラリ]領域は表示されたままです)。

  6. [mytrees.mat]グループで[Material #0]を右クリックし、ポップアップ メニューから[名前を変更]を選択します。

    [名前を変更]ダイアログ ボックスが開きます。マテリアル名を Tree-Fall に戻し、[OK]をクリックします。

  7. [シーン マテリアル]グループで Tree-Spring マテリアル エントリを右クリックします。ポップアップ メニューで、[コピー先] [mytrees.mat]を選択します。

  8. [mytrees.mat]グループで[名前を変更]を使用して、このマテリアルの名前を Tree-Spring に再度変更します。
  9. Tree-SummerTree-Wintermytrees.mat にコピーします。毎回マテリアルの名前を元の名前に戻します。
  10. [mytrees.mat]ラベルを右クリックし、ポップアップ メニューの最初のエントリ[C:\Users\...\mytrees.mat]を選択 [保存]を実行します。

  11. スレート マテリアル エディタを閉じます。

    これで、プロキシ オブジェクトに使用するマテリアルのライブラリができました。次のタスクは、プロキシの作成です。

ソース オブジェクトを mr プロキシ ファイル形式で保存する:

  1. [作成]パネルで ([ジオメトリ])をクリックし、オブジェクト ドロップダウン リストを開いて[mental ray]を選択します。

  2. [オブジェクト タイプ]ロールアウトで[mr プロキシ]をクリックしてオンにします。

  3. ビューポート内でドラッグして mr プロキシ オブジェクトを作成します。

  4. [修正]パネルに移動します。[パラメータ]ロールアウトの[ソース オブジェクト]領域で、[ソース オブジェクト]ボタン(最初は「None」と表示されている)を選択します。

    ビューポートで木のオブジェクト Elm-Winter をクリックします。

  5. [パラメータ]ロールアウト [ソース オブジェクト]領域で[オブジェクトをファイルに書き出し]をクリックします。

    ファイル ダイアログ ボックスが開きます。必要に応じて \sceneassets\renderassets フォルダに移動します。ファイルに My_Elm_Winter と名前を付け(ファイル名拡張子は MIB)、[保存]をクリックします。

    [mr プロキシ 作成]ダイアログ ボックスが開きます。このダイアログ ボックスで[OK]をクリックして既定値の値を適用します。

    注:木のオブジェクトがアニメートされている場合は、[mr プロキシ 作成]ダイアログ ボックスを使用してオブジェクトをフレームのシーケンスとして保存し、フレームごとに .mib ファイルを作成します。[書き込みジオメトリ]領域で、保存するタイム セグメントを指定します。

    プロキシ ジオメトリのレンダリング中は、小さなレンダリング フレーム ウィンドウが表示されます。

    ビューポートでは、mr プロキシ オブジェクトはポイント クラウドとして表示されます。

  6. [パラメータ]ロールアウト [ディスプレイ]領域で、[ビューポート頂点]の値を 128 から 512 に変更し、Enter を押します。

    ポイントの数が増えるほど、オブジェクトのアウトラインはより明確になりますが、より密度の高いポイント クラウドはビューポートのパフォーマンスに影響を及ぼします。

  7. [ビューポート頂点]の値を 128 に戻し、木のプロキシの範囲を表示するために[バウンディング ボックスを表示]をオンにします。

    完全なバウンディング ボックスに囲まれたプロキシが表示されます。

  8. プロキシ オブジェクトを選択した状態で、木のオブジェクト Elm-Spring に対して手順 4 ~ 7 を繰り返します。

    終了したら、Elm-Spring.mib ファイルが作成されているはずです。

    ゼロから作業する場合は、シーン内の各木ごとに上記の手順を繰り返しますが、少し作業の速度を上げるために、すべてのタイプの木の .mib ファイルを作成してあります。それらは \sceneassets\renderassets フォルダに保存されています。次のレッスンでこれらのプロキシを使用します。

  9. 現在のシーン ファイルは保存しないでください。

    保存する必要がある作業は、MIB ファイルおよび関連するビットマップに含まれています。

次のレッスン

プロキシ ファイルのシーンへのロード