写真を使用したファサードのモデリング
 
 
 

建物の写真から、実にリアルなモデルを作成することができます。このチュートリアルでは、その方法を説明します。

広場にある家の正面のモデル

このチュートリアルでは、ドルドーニュ地方にある 13 世紀の要塞都市(城壁都市)、モンパジェ広場の建物の写真を基に、2 つの家の正面をモデリングします。この図には、これら 2 つの家の他に、もう 2 つ別の家が含まれています(場面は実際の広場ですが、家の位置は実際とは異なります)。

各写真は、ファサードの構築とテクスチャリングの両方に使用します。ある意味、元の建物を「リバース エンジニアリング」していくことになります。それぞれの家を、編集可能ポリゴン オブジェクトとして構築します。このため、さまざまなポリゴン編集ツールを使用してファサードに奥行きを与えることで、リアルなシャドウを投影できます。また、[UVW アンラップ]モディファイヤを使用してテクスチャを調整し、モデルの外観をリアルに仕上げます。

ヒント:マテリアル エディタやテクスチャ マッピング モディファイヤの使用に慣れていない場合は、まず 「マテリアルとマッピングのチュートリアル」を実施してからこのチュートリアルに戻ることをお勧めします。
警告:このチュートリアルで使用する技法は、建物やその他の静止オブジェクトのモデリングに適しています。有機体のメッシュ、特に[Physique]モディファイヤや[スキン]モディファイヤなどの機能を使用してアニメートするメッシュには適していません。このチュートリアルでは、マルチサイド ポリゴンを含む不規則なメッシュを作成します。こうしたメッシュとは対照的に、変形可能メッシュには、サイズが極めて均等な四角形または三角形のポリゴンのみが含まれていなければなりません([HSDS]モディファイヤを使用してメッシュをサブディビジョン サーフェスに変換する予定がある場合は、[HSDS]を適用する前のメッシュに四角形のポリゴンのみが含まれている必要があります)。

ほぼ規則的なポリゴンを含むメッシュのモデリングに関する例は、 飛行機のモデリングを参照してください。

スキル レベル: 中級

所要時間: 3 時間

このチュートリアルの準備

ヒント: モデルの構築使用する写真の準備

この項では、このチュートリアルで実際に行うファサードのモデリングに必要な写真を準備する方法について説明します。同じような方法で自分の写真(またはスキャン)を使用する場合も、この項を一読することをお勧めします。または、この項を省略してチュートリアルを実施し、後でこの項を読んでもいいでしょう。

人間の目には、写真に写った平行な線は、1 箇所に集束するように見えます。ただし、3ds Max でファサードを作成するには、平行線は平行のまま、垂直線は垂直のままでなければなりません。そのため、ほとんどの場合、Photoshop などのグラフィック編集プログラムを使用して、テクスチャとして使用する前に写真を調整する必要があります。

たとえば、これはこのチュートリアルで 2 番目に構築する建物「Façade 4」の作成に使用する元の写真です。

ガイドラインを家にスーパーインポーズすると、地面は水平で、左側はほぼ垂直ですが、右側を調整する必要があることが分かります。

パースペクティブ補正または「歪み」ツールを使用すると、家の側面をガイドラインに位置合わせすることができます。

注:パースペクティブ補正または「パースペクティブ コントロール」レンズを使用して、垂直方向の消点、つまり「3 番目」の消点を削除すると、建物の垂直な面同士が平行に見えるようになります。ただし、このようなレンズは特殊かつ高価な装置です。

本体にあおり機構が装着されたビュー カメラを、パースペクティブ補正を行うよう設定できます。ただしビュー カメラは、最近ではあまり使用されていません。

写真エディタには他にも用途があります。この例では、アーチ部分に立っている女の子を削除する必要があります。

... 写真エディタを使うと、女の子を簡単に削除できます。

最後に、家自体の寸法に合わせてイメージをクロップします。

この最終的なイメージは、 2 つ目の家のモデリングで家を構築してテクスチャリングするときに使用するビットマップとなります。