パーティクルの木
 
 
 

このチュートリアルでは、「ビルボード」として動作するパーティクルの使用法を学習します。各パーティクルはすばやくレンダリングできるビットマップの木のイメージを表示し、対になったパーティクルは木のシャドウをキャストします。

従来の 3D のテクニックを使用して木をモデリングすると、リアルな結果が得られますが、1 本の木は通常 20,000 以上のポリゴン面で構成されます。たとえば森を作るなど、木を多数複製する必要がある場合、何百万ものポリゴンをレンダリングすることになるため、レンダリング時間が長くなります。

しかし、レンダリング速度を犠牲にせずに、リアルな木が多数含まれたシーンを作成する方法があります。まず、パーティクル システムを使用して 2 次元の平面すなわち「ビルボード」として、多数のパーティクルを作成します。次に、木のマップを各ビルボードに投影します。

このパーティクルを使用した方法では、さまざまなサイズや形状の木をマッピングし、レンダリング時間を節約することができます。ただし、留意すべき重要な点がいくつかあります。

木のイメージは 2 次元なので、カメラの正面を向いている場合にのみ適切に表示されます。斜めから見ると、リアルではなくなります。

左: カメラの正面に位置するパーティクルの木

右: カメラの斜め前に位置するパーティクルの木

そのため、イメージをマッピングする平面は、シーン内を移動するカメラの動きに合わせて、常にカメラの正面を向くように設定する必要があります。

常にカメラに正対するパーティクルの木

もう 1 つの考慮事項は、2 次元のパーティクルの木がシャドウをキャストする方法です。光源(通常は太陽)がビルボードの平面に正対していない場合、次の図のように木は不自然な斜めのシャドウをキャストします。

光源によって斜めにシャドウをキャストするパーティクルの木

そのため、パーティクルの木の平面をもう 1 セット作成する必要があります。最初のセットでは木を表示し、シャドウを表示しません。一方、2 つ目のセットではシャドウは表示しますが、木は表示しません。

左: 2 つ目のパーティクルの木は光源の方向を向き、シャドウが表示されている

右: 2 つ目のパーティクルの木は非表示に設定され、シャドウのみが表示されている

表示されている木の平面は、常にカメラを向くように設定されており、シャドウのみが表示された木の平面は常に光源を向くように設定されています。木とシャドウの方向は、パーティクル システムのパラメータ設定で定義します。

また、生成するパーティクル ベースの木に、自己照明の度合いを設定する必要があります。これは、次の図のようにカメラ ビューで光源がオブジェクトの背後に位置した場合に、オブジェクトが必要以上に暗く見える可能性があるためです。

左: 自己照明が設定されていない、背後から照明されたパーティクルの木のカメラ ビュー

右: 光源による照明を正面から受けたパーティクルの木のカメラ ビュー

このチュートリアルでは、以下について学習します。

スキル レベル: 中級

所要時間: 1.5 時間

このチュートリアルの準備