Sky ポータルとフォトグラフィック露出コントロールの使用
 
 
 

Sky ポータルは、(直射日光ではなく)デイライト システムによって生成されるスカイ ライトを収集するライト オブジェクトです。収集された光の流れは、特定のシーン オブジェクトの内部に向けられます。

注:Sky ポータルは通常、グローバル イルミネーションと比べるとレンダリング時間が少なくて済みます。したがって、シーンの照明をすばやく表現するための効率的な代替策として利用できます。

レッスンの準備:

Sky ポータルを追加する:

  1. [作成]パネルで ([ライト])をクリックします。

    ドロップダウン リストから[フォトメトリック]を選択します。

    [オブジェクト タイプ]ロールアウトで[mr Sky ポータル]をクリックし、[オート グリッド]をオンにします。

  2. Camera01 ビューで、右手奥にある兵舎の出入り口の右上コーナーから左下コーナーまで対角線上にドラッグして出入り口全体を覆い、Sky ポータルを作成します。

    兵舎のドアの正面に配置された Sky ポータル オブジェクト

    Sky ポータルがドアよりも極端に大きくならないようにしてください。

  3. 右クリックで Sky ポータルの作成を終了します。
  4. トップ ビューポートを右クリックし、Sky ポータル オブジェクを作成した兵舎の出入り口がはっきりと見えるようになるまでシーンを ズーム拡大します。
  5. Sky ポータルが兵舎の出入り口の内部に来るように、Sky ポータルの位置を調整します。

    Sky ポータルを入り口の外側に配置すると、ドアのフレームの側面が不要なライトを呼び込みます。

  6. Sky ポータル オブジェクトが選択されたままの状態で、 [修正]パネルに切り替えます。[mr Sky ポータル パラメータ]ロールアウトで、Sky ポータルがオンになっていることを確認し、[強度]の値を 8.0 に変更します。

    Sky ポータル オブジェクトを他のドアや兵舎の窓に追加した場合は、[強度]の値にはこれより低い値を指定するのが普通です。

  7. 3 つの兵舎すべての正面が見えるように、トップ ビューポートを ズーム縮小および パンします。
  8. Sky ポータルを Shift+コピーして、左側に Sky ポータル オブジェクトのインスタンスをさらにもう 2 つ作成します。それぞれを残りの 2 つの兵舎の出入り口で使用します。

  9. Camera01 ビューポートをアクティブにして、 シーンをレンダリングします。

    兵舎の内部に注ぐライトを設定してレンダリングしたシーン

    これで、シーンは随分良くなりました。Sky ポータルによってスカイライトが兵舎に注がれています。

  10. レンダリング フレーム ウィンドウを最小化します。

昼間および夕方のライトを設定する:

  1. デイライト システム(コンパス マークではなく、サン オブジェクト)を 選択して [モーション]パネル [時間]領域 [時間]スピナーで、時間を 14 (午後 2 時)に設定します。
  2. Camera01 ビューがアクティブになっていることを確認し、 シーンをレンダリングします。

    デイライト オブジェクトを 2pm に配置してレンダリングしたシーン

    ジープ(jeep®)の脇にある吊り照明の影が、太陽がほぼ頭上にあることを示しています。しかし、この時間にしては Sky ポータルが兵舎に投じているライトの量が多すぎます。

  3. レンダリング フレーム ウィンドウの クローンを作成します。
  4. Sky ポータル オブジェクトのいずれかを 選択し、 [修正]パネルに切り替え、[mr Sky ポータル パラメータ]ロールアウトで[強度]の値を 5.0 に変更します。

    Sky ポータルはインスタンスなので、1 つの Sky ポータルに対する変更は他のオブジェクトにも渡されます。

  5. Camera01 ビューポートを再度レンダリングします。

    Sky ポータル マルチプライヤの値を減らしてレンダリングしたシーン

    最新のレンダリング後のフレームを先ほど作成したクローンと比較します。出入り口のライトは微妙ですが、よりリアルになりました。

    このシーンのレンダリングの 3 つ目のバージョンを生成しますが、今回は夕方のライトを作成します。

  6. デイライト システムのサン オブジェクトを 選択し、 [モーション]パネル [時間]領域で、[時間]を 17 (午後 5 時)に変更します。
  7. Camera01 ビューポートをレンダリングします。

    [露出コントロール]を調整する前にレンダリングした、夕方のライティングを表すシーン

    レンダリング結果は暗すぎます。露出コントロールを使用してライトを調整しましょう。

  8. [レンダリング]メニューで[露出コントロール]を選択します。

    [環境と効果]ダイアログ ボックスが開きます。

  9. [mr フォトグラフィック露出制御]ロールアウト [露出]領域で、[フォトグラフィック露出]を選択し、[絞り (f-stop)]を 5.6 に設定します。

  10. Camera01 ビューポートを再度レンダリングします。

    露出を調整した後にレンダリングしたシーン

    新しい f-ストップの設定は時刻を補正します。

    mental ray のライティング テクニックに基づいて 3 つの異なる雰囲気を作成しました。

作業を保存する:

まとめ

デイライト システムを作成すると、地球上の任意の場所、任意の時刻における実際の屋外のライティング条件をシミュレートすることができます。mental ray レンダラーには適切な露出設定を定義するさまざまなプリセットが用意されていて、必要に応じて手動で調整することもできます。Sky ポータル オブジェクトを追加すれば、デイライトを建築物の出入り口や窓から差し込ませて、屋内の照明を改善することができます。