Biped アニメーションの上にコントローラを追加して、さまざまな効果を作成することができます。スケール コントローラを使用して、伸縮性のある脚や腕を漫画のアニメーション用に作成したり、脊椎オブジェクトの胸にスケール コントローラを追加して、イリュージョンのような呼吸を作成したりすることができるのです。ノイズ回転コントローラを脊椎に追加し、歩行中の
Biped を揺らしたり、手足や頭にひきつりやランダムな動きを作成したりすることもできます。
[コントローラ]は、[モーション]パネル
[割り当てコントローラ]ロールアウトで、または[ワークベンチ]を使用して追加できます。
このレッスンでは足跡を使っていますが、フリーフォーム アニメーションでも簡単に実現できます。
レッスンの準備:
-
stretchyleg_start.max を開きます。
注:シーンの[ガンマと LUT]設定を使用するかどうかを尋ねるダイアログ ボックスが表示されたら、シーンのガンマ設定を受け入れ、[OK]をクリックします。シーンの単位を使用するかどうかを尋ねるダイアログ ボックスが表示されたら、シーンの単位を受け入れ、[OK]をクリックします。
コントローラを使用して、伸縮性のある脚を作成する:
このエクササイズでは、スケール コントローラを Biped の脚に追加し、アニメーションの一部で脚を伸ばします。
- アニメーションを
再生します。
Biped は 10 ステップ歩き、下位レベルに降りてから、さらに 5 ステップ歩きます。ここではスケール コントローラを追加して Biped にアニメーションを付け、飛び降りるときに脚を伸ばします。
- タイム スライダをフレーム 162 にドラッグし、Bip01 L Thigh オブジェクト(青い脚)を
選択します。
-
[モーション]パネルで[コントローラを割り当て]ロールアウトを開きます。
- コントローラ リスト ウィンドウで、[Biped サブアニメーション]エントリを拡張します。
3 つのリスト コントローラが表示されます。
- BipScaleList の横のプラス記号(+)をクリックし、このコントローラの階層を展開します。「使用可能」というエントリを選択し、
([コントローラを割り当て])をクリックします
[スケール コントローラを割り当て]ダイアログ ボックスが表示されます。
- [スケール XYZ]をリストから選択し、[OK]をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。
- 3ds Max のメイン ツールバーで、
([選択してスケール変更])をクリックします
ビューポートの腿にスケール ギズモが表示されます。
-
([オート キー])をオンにします。
まずは、キーを設定してストレッチを始めます。フレーム 162 まではストレッチを開始しません。アニメーションの先頭からこのフレームまでは、ストレッチしない通常の脚を持つ Biped にします。
- このフレームで、スケール ギズモを使用し、X 軸に沿ってごくわずかに脚をストレッチすると、[座標軸]ロールアウトの最終値が 100 (ストレッチなし)になります。
- 開始フレーム 164 に移動して脚をストレッチし、足を足跡に届かせます。
- 開始フレーム 167 に移動して、X 軸に沿って脚を再度ストレッチし、足を足跡ギズモに留めます。
- フレーム 169 に移動します。ここで、脚の伸びを縮めます。
- 開始フレーム 181 に移動し、脚のストレッチを通常に戻します。目で確かめて調整し、脚を自然に表示します。
- アニメーションを
再生します。Biped が下位の足跡セットに降りる際、Biped の後ろの足は足跡の上に留まって脚が伸びます。
さらに自然にするには、だいたいフレーム 161 から 171 の間で、スケール コントローラを緑色の腿に追加してその脚を伸ばします。
-
([オート キー])をオフにします。
- シーンを mystretchy_leg.max という名前で
保存します。
完成版のアニメーションと比較したい場合は、
stretchyleg_final.max を開いてください。
Biped ボディ パーツにコントローラを追加したら、パラメータか重みをアニメーションできます。ここでは、パラメータのアニメーションの例を挙げました。
サブアニメーション コントローラの重みをアニメーションする:
-
shake_and_walk_start.max を開きます。
- アニメーションを
再生します。
Biped は数ステップ歩いて少し立ち止まり、また歩き始めます。
- パースペクティブ ビューポートで、Bip01 Spine オブジェクト(最も下の脊椎オブジェクト)を選択します。
-
[モーション]パネルで[コントローラを割り当て]ロールアウトを開きます。
- [コントローラを割り当て]ウィンドウで、[Biped サブアニメーション]を拡張し、リスト コントローラを表示します。
- BipRotationList を拡張し、「使用可能」というエントリをハイライト表示します。
-
([コントローラを割り当て])をクリックします。
[回転コントローラを割り当て]ダイアログ ボックスが表示されます。
- リストから[ノイズ回転]を選択し、[OK]をクリックします。
[ノイズ回転 プロパティ]ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスは閉じないでください。
- ビューポートでアニメーションを
再生します。
Biped は、歩行中に大きく揺れます。
- [プロパティ]フロータで、[フラクタル ノイズ]をオフにします。
- アニメーションの再生中に、スピナーを使用して[プロパティ]ダイアログ ボックスの[周期]を変更します。値を下げて、揺れを遅くリズミカルにしてください。0.2 以下の値が使用に適していると思われますが、好みの値を選択できます。
- アニメーションの再生中に、[X]、[Y]、[Z]の値を変更します。3 つの値を 0.0 に設定してから、1 つずつ個別に変更してください。
横揺れの効果を出すには、[X 強度]を 2.0 に、[Y 強度]と[Z 強度]を 0.0 に設定します。
- [ノイズ回転 プロパティ]ダイアログ ボックスを閉じます。
この例では、歩行中のみに Biped を揺らします。フレーム 69 から 191 までは揺らしません。この効果を出すには、ノイズ コントローラの重みをアニメートします。
ノイズ コントローラの重みをアニメートする:
-
[モーション]パネルで、脊椎オブジェクトに追加した[ノイズ回転]コントローラの[重み]エントリを拡張します。[重み: ノイズ回転]をハイライト表示します。
重みへのアクセスにはコツがあります。
- [キーフレーミング ツール]ロールアウトを開き、
([サブアニメーションを操作])をクリックします
[モーション]パネルに、[位置リスト]、[スケール リスト]、[回転リスト]というロールアウトが追加されます。
- [回転リスト]にスクロールし、[レイヤ]の[ノイズ回転]を選択します。
[重み]フィールドをアニメートする準備が整いました。
-
([オート キー])をオンにします。
- タイム スライダをフレーム 70 までドラッグします。
- [回転リスト]ロールアウトの下部付近で、[重み]フィールド スピナーを右クリックします。スピナーが 0 (ゼロ)に設定されます。
ヒント:スピナーを右クリックすると、最も低い負ではない値にリセットされます。
- タイム スライダをフレーム 69 までドラッグします。
ヒント:キーボードの < キーと > キーを使用し、フレーム間を移動します。
- [回転リスト]の[重み]フィールドを 100.0 に変更します。
スピナーの枠の色が、値がアニメートされていることを示す赤に変わります。
- フレーム 0 から 100 の間でタイム スライダを前後にドラッグし、アニメーションを確認します。Biped は、歩行中に揺れて、一時停止中には静止します。
- 次に、フレーム 191 で Biped を再び揺らし始めます。フレーム 190 で[ノイズ回転]の[重み]を 0.0 に、フレーム 191 で 100.0 に設定してキーを設定します。
ヒント:フレーム 190 では、Shift キーを押した状態でスピナーを右クリックします。こうすると、値は変更せずにキーを設定できます。
- 終了したら、[キーフレーミング]ロールアウトで
[サブアニメーションを操作]をオフにします。
- アニメーションを
再生します。
- ファイルに myshake_and_walk.max と名前を付けて
保存します。
完成版のアニメーションと比較したい場合は、
shake_and_walk_finished.max を開いてください。
ゲーム エンジンに書き出す場合、またはレイヤかモーション ミキサーでこのアニメーションを使用する場合は、リスト コントローラ アニメーションを集約する必要があります(次の手順を参照してください)。集約すると、コントローラ アニメーション キーが、[Biped
サブアニメーション]のトラックに追加されます。
注:3ds Max のコントローラとコンストレイントは、異なる動作をします。コントローラ アニメーションは、[Biped サブアニメーション]トラックの既存キーに積み重ねられます。しかし、制限を使用すると、[Biped サブアニメーション]トラックが置き換わります。
リスト コントローラ トラックを集約する:
- 前のレッスンを続けるか、
shake_and_walk_finished.max を開きます。
- ファイルを開いた場合は、Bip01 Spine オブジェクトを
選択して
[モーション]パネルを開き、[割り当てコントローラ]ロールアウトを拡張します。
- [割り当てコントローラ]ウィンドウで、[Biped サブアニメーション]をハイライト表示してから右クリックします。
- ポップアップ メニューから[プロパティ]を選択します。
[サブアニメーション プロパティ]ダイアログ ボックスが表示されます。
- [有効]オプションで、[位置リスト]と[スケール リスト]をオフにして、[回転リスト]のみをアクティブにします。
- [集約]オプションで、[位置]をオフに、[回転リスト]、[削除しない]、[フレーム毎]をオンにします。
- 回転トラックを集約するには、[サブアニメーション プロパティ]ダイアログ ボックスの下部の[集約]ボタンをクリックします。
計算が実行されている間、待機します。
集約が完了すると、ダイアログ ボックスが閉じて、トラック バーがキーフレームでいっぱいになります。
- シーンを mycollapsed_shaking.max という名前で
保存します。
完成版のアニメーションと比較したい場合は、
shake_and_walk_collapsed.max を開いてください。
ヒント:[ワークベンチ]を使用すれば、トラックを集約して、作成されるキーの数を減らすことができます。