Biped を作成したら、ポーズを付けて、Biped が制御するキャラクタ モデルに合わせる必要があります。これはフィギュア モードで行います。フィギュア モードでは、Biped のパーツの屈曲、回転、スケールを行い、Biped をキャラクタ
メッシュに合わせることができます。このレッスンでは、Biped を調整してキャラクタ メッシュに合わせます。
キャラクタ メッシュは、一般的に、2 つの姿勢のうちのどちらかで構築されます。一般的なのは、ダ・ビンチの有名なデッサン「ヴィトルヴィウス的人間」のように、両腕を広げて足を少し開いた姿勢です。または、両腕を下げて足を揃えた、休んでいる状態の姿勢でキャラクタ
メッシュが構築されることもあります。
このレッスンでは、Dr. X というキャラクタを使用して作業します。
レッスンの準備:
- 3ds Max をリセットします。
- クイック アクセス ツールバーで
([ファイルを開く])をクリックし、\character_animation\quick_start フォルダに移動して dr_x_01.max を開きます。
注:シーンの[ガンマと LUT]設定を使用するかどうかを尋ねるダイアログ ボックスが表示されたら、シーンのガンマ設定を受け入れ、[OK]をクリックします。シーンの単位を使用するかどうかを尋ねるダイアログ ボックスが表示されたら、シーンの単位を受け入れ、[OK]をクリックします。
このシーンには、DoctorX というキャラクタ メッシュが含まれています。
Biped を構築する:
Biped の作成方法を習得したので、キャラクタ メッシュをテンプレートとして使用して、Dr. X を制御する Biped を構築します。
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[作成]パネルで
([システム])をクリックします。
-
([Biped])をオンにして、[Biped を作成]ロールアウトに[高さ]スピナが表示されていることを確認します。
- フロント ビューポートで、Dr. X の足元をクリックして上にドラッグし、Biped の高さを約 1.0m にします。
重心が、Dr. X の骨盤あたりの位置に配置されます。
- [Biped を作成]ロールアウトで、ルート名を Dr.X に変更します。
注:[Biped を作成]ロールアウトで名前を変更すると、名前はすべての Biped のコンポーネント パーツのプレフィックスとして使用されます(たとえば、Dr. X L Foot)。通常の[名前とカラー]ロールアウトを使用する場合は、Biped の COM の名前のみが変更され、その他のすべてのパーツのプレフィックスは Biped01(または、現在のシーケンス番号など)のままになります。
Biped を配置する:
キャラクタ メッシュに Biped を追加したら、Biped を調整して、メッシュの姿勢に適切に合わせる必要があります。まず、Dr. X のモデル内で Biped の位置を調整します。
-
[モーション]パネル タブをクリックします。
- [Biped]ロールアウトで
([フィギュア モード])をオンにします。
Biped のリファレンス ポーズの変更は、すべて[フィギュア モード]で実行する必要があります。
- レフト ビューポートとフロント ビューポートで、
([範囲をズーム])をクリックして Dr. X の骨盤の周辺をズーム拡大します。
図では、重心が白で表示され、メッシュの中央ラインを指す矢印が表示されています。
- [トラックの選択]ロールアウトで
([ボディ水平方向])ボタンがオンになっていることを確認します。
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レフト ビューポートとフロント ビューポートで、重心 Dr.X を、キャラクタ メッシュの垂直の中央ラインと並ぶように移動します。
脚を調整する:
次に脚を調整し、キャラクタの脚に合わせます。脚を調整する場合は、膝と足首の主要ベンド ポイントに注意する必要があります。
- フロント ビューポートをアクティブにします。Alt+W を押してビューポートを最大化してから、
([全範囲ズーム])をクリックします。
-
Biped の左腿、Dr.X L Thigh を選択します。選択すると、既定では青で表示され、[モーション]パネルの上部の[名前]フィールドに名前が表示されます。
ヒント:間違えてメッシュを選択した場合は、フィギュア以外をクリックして選択解除し、もう一度やり直します。
- [トラックの選択]ロールアウトから
([シンメトリ])をクリックします。
Biped の右腿、Dr.X R Thigh が、選択セットに追加されます。
- この手順では、Biped の脚を回転し、メッシュの脚におおまかに沿うようにします。回転するには、フロント ビューポートとレフト ビューポート間を切り替える必要があります。ビューポートを切り替えるには、キーボードの F と L を押します。
([選択して回転])ボタンをクリックし、以下のように回転します。
- フロント ビューポートで、Z 軸を中心に約 12.0 度回転します。選択したものを回転すると、読み取り値が黄色で表示されます。
ヒント:両脚が反対方向ではなく、同じ方向に回転する場合があります。この場合、各脚を個別に選択して回転します。
- レフト ビューポートで、Z 軸を中心に約 -8 度回転します。
- メイン ツールバーで、
([選択して不均等にスケール])を選択します。腿を X 軸に沿って約 85 パーセントにスケールしてスキン モデルに合わせます。値を入力するか、ビューポートで結果を見ながらスピナーを使用します。
- キーボードの Page Down キーを押します。
Page Up と Page Down を使用すると、階層を上下に移動できます。両腿が選択されているため、Page Down を押すと両方のふくらはぎが同時に選択されます。
- 腿と同様に、ふくらはぎを X 軸に沿って約 90 パーセントにスケールしてメッシュに合わせます。
Biped の足首が、キャラクタ メッシュの足首に、より正確に揃います。
- Page Down を再度押して、Biped の足を選択します。フロント ビューとレフト ビューから足をスケールして、靴によりフィットするようにします。
- [構造]ロールアウトで[足首のアタッチ]の値を約 0.1 に調整して足をスライドさせ、よりメッシュにフィットさせます。
- フロント ビューポートで、脚を回転してメッシュに合わせます。
- シーンに my_drx01.max と名前を付けて保存します。
ここまで作業してきた手順から、Biped をメッシュに揃えるために必要なもの、およびこのプロセスには忍耐が重要である、ということが分ります。このキャラクタには、足および上体全体の調整など、さらに作業が必要です。必要な場合は、Biped の位置揃えに関する以下のヒントに目を通し、同じ手順を使用して、残りの
Biped を揃えてみてください。必要でない場合は、次のレッスンに進みます。
Biped の位置揃えに関するヒント
以下は、Biped をキャラクタ メッシュに追加する場合に役立つヒントです。
- 最も重要なことは、重心がメッシュに常に揃っていることを確認することです。
- Biped パーツのスケールと回転を行う場合は、複数のビューポートでモデルを確認してください。たとえば、回転があるビューポートで適切に表示されていても、別のビューポートでは問題があることがあります。
- キャラクタ メッシュの複雑さを確認してください。キャラクタがミトンや靴を身に付けている場合は、手足の 5 本の指が必要ない場合があります。それに応じて Biped 構造を調整してください。
- ポニーテールの存在を忘れないでください。キャラクタの髪が多かったり、象の鼻のように鼻が長かったりする場合は、ポニーテールを使用してメッシュのその部分を制御できます。
- キャラクタの胴が短かいか首が長い場合は、脊椎のリンク数を減らすか、首のリンク数を増やすと良いでしょう。首、尾、ポニーテールには最大 25、脊椎には最大 10 のリンクを追加できます。
- キャラクタが、武器や工具など、何かを持っている場合は、プロップを追加してそのオブジェクトを制御します。