このレッスンでは、自動的に作成されたモーションを基にして、体を揺らしながら弾むように歩く Biped をアニメートします。
まず、足跡で自動的にアニメーションを生成します。次に、自動的な歩行を表現が豊かで特徴のある歩行に変更します。この簡単で高性能な方法によって、自然なモーションが素早く作成できます。
レッスンの準備:
- 3ds Max をリセットします。
- クイック アクセス ツールバーで
([ファイルを開く])をクリックし、\character_animation\footstep_animation フォルダに移動して walk_start.max を開きます。
注:シーンの[ガンマと LUT]設定を使用するかどうかを尋ねるダイアログ ボックスが表示されたら、シーンのガンマ設定を受け入れ、[OK]をクリックします。シーンの単位を使用するかどうかを尋ねるダイアログ ボックスが表示されたら、シーンの単位を受け入れ、[OK]をクリックします。
このファイルでは、原点付近に Biped が立っています。
- ローカル座標がアクティブでない場合は、アクティブにします。
- Alt+W キーを押して、パースペクティブ ビューポートを最大化します。
- Biped の任意の部分をクリックして選択します。
選択したボディ パーツが白いボックスで囲まれます。
-
[モーション]パネルに移動します。
Biped のコントロールが表示されます。
次に、[足跡モード]をオンにします。[フィギュア モード]がオンの場合は、自動的にオフになります。
複数の足跡を作成する:
-
[モーション]パネル
[Biped]ロールアウトで
([足跡モード])をオンにします。
- [足跡を作成]ロールアウトで
([複数の足跡を作成])をクリックします
- [複数の足跡を作成: 歩く]ダイアログ ボックス
[一般仕様]領域で、[足跡数]を 8 に変更して[OK]をクリックします。
足跡がビューポートに白く表示されます。これらの足跡は非アクティブです。まだ Biped のアニメーションを制御していません。[アニメーションを再生]ボタンをクリックしても、Biped は動きません。
- [足跡操作]ロールアウトで、
([非アクティブな足跡のキーを作成])をクリックします。
足跡はアクティブになります。Biped のアニメーション キーが作成されます。
-
アニメーションを再生します。
Biped が歩きます。
- [Biped]ロールアウトで、[足跡モード]ボタンをオフにします。
最初の足跡には番号 0 が、最後の足跡には番号 7 が付いていることに注目してください。
- [トラックの選択]ロールアウトで、
([ボディ水平方向])がオフになっている場合はクリックしてオンにします。重心オブジェクトの水平方向トラックが選択されます。
トラック バーにアニメーション全体のキーが表示されます。
-
アニメーションを再生します。
Biped は歩きますが、あまり特徴的ではありません。
次の手順で、ボディの水平方向、垂直方向、および回転トラックのキーを調整することによって、モーションに個性を与えます。重心の回転を誇張して、もっと元気な歩き方にします。
ボディの回転キーを調整する:
- パースペクティブ ビューポートで
(ViewCube の前面)をクリックして、Biped が正面に向かって歩いて来るようにビューを移動します。タイム スライダをフレーム 0 までドラッグします。
Biped のパーツがまだ選択されていることを確認します。[トラックの選択]ロールアウトで、
([ボディ回転])をクリックします。
- トラック バーを右クリックして、ポップアップ メニューから[フィルタ]
[現在の変換]を選択します。
これでトラック バーに回転キーが表示されます。
- 3ds Max のステータス バーで
([キー モード切り替え])ボタンをクリックしてオンにします。
キー モードがオンになっていると、[前のキー]ボタンおよび[次のキー]ボタンを使用して、選択したオブジェクトのキーフレーム間を移動できます。キーボードの < キーと > キーを使用して、マウスをクリックせずにキーフレーム間を移動することもできます。
- キーボードの > を押して、タイム スライダをフレーム 24 に拡張します。
- 変換ギズモを使って、ボディの回転を調整します。ギズモの上にカーソルを移動し、円が黄色くなり中央の X が赤くなったら、カーソルをドラッグしてギズモを回転します。X が見えない場合は、ビューポートをズーム拡大します。X 軸を中心に 5 ~ 10 度回転し、尻を動作中の脚の方に下げます。回転させると、一方の足が反対の足と交差します。
ヒント:回転は、変換ギズモの上に黄色のテキストで表示されます。また、ステータス バーの座標フィールドにも表示されます。プラス([+])キーとマイナス([-])キーを使って、変換ギズモのサイズを変更することもできます。
-
[モーション]パネル
[キー情報]ロールアウトで、
([キーを設定])をクリックします。
キーを設定すると、Biped の位置が少し移動します。ビューポートでは、青い足が緑の足から離れます。
これは、足、ふくらはぎ、および大腿のボーンが足跡ギズモによって制御されるためです。足跡を制御するのは、[IK ブレンド]を 1 に設定し、[前の IK キーへ接続]をオンにしたときのキーのペアです。キーを設定すると、これらの設定によって、足、ふくらはぎ、および脚のボーンが正しい歩行パスに戻ります。
- [次のキー]を 3 回クリックしてフレーム 40 に移動します。
- ギズモを X 軸を中心に –6 ~ –10 度回転します。
- このプロセスを繰り返して、残りの回転キーをゆっくりと進めます。青い足が接地するキー(フレーム 40、69、99)では、X 軸を中心に負の方向に回転させ、キーを設定します。緑の足が接地するキー(フレーム 54、84、116)では、X 軸を中心に正の方向に回転させ、キーを設定します。
- このパターンをアニメーションの最後で重心の回転を終了させるまで繰り返します。あまり詳細な調整を行わないでください。フレームからフレームへと少し変化があった方が、より自然なモーションに見えます。
終了後、アニメーションを再生し、重心を前後に回転させることによって生じる尻の揺れの増加を確認します。
- [Biped]ロールアウトで
([ファイルを保存])をクリックし、ファイルに mywalk.bip と名前を付けて保存します。
皮膚が付いたキャラクタが含まれるシーンに、新しく保存した mywalk.bip ファイルをロードすると、キャラクタはこのファイルに保存した指示に従って尻を振ります。アニメーションを再生して、調整が必要かどうか確認します。たとえば、Dr. X (「クイック スタート」チュートリアルで使用)は足が大きいため、両足を十分に離して、誤って両脚が通り抜けることのないようにする必要があります。
ステップにバウンドを加える:
- 前のレッスンを続けるか、前に保存した mywalk.bip ファイルをロードします。
BIP ファイルをロードするには、Biped を作成または選択します。
[モーション]パネル
[Biped]ロールアウトで、
([ファイルをロード])をクリックしてファイルを開きます。ファイルに保存された動きに関するすべての情報が Biped に転送されます。
- [トラックの選択]ロールアウトから
([ボディ垂直方向])をクリックします。
重心オブジェクトの垂直方向トラックが選択されます。
-
([キー モード切り替え])がオフになっている場合は、オンにします。
- まずフレーム 0 に移動し、そこから < キーと > キーを使ってアニメーションの中を移動します。緑または青い足が接地するフレームで、重心を数単位下に移動します。
足が足跡によって制御されるため、膝が曲がります。
- フレームで変更を行った後、[キー情報]ロールアウトの
([キーを設定])をクリックします。
ビューポートで変更したキーが設定されます。ボタンをクリックしないと、変更は無効になります。
-
アニメーションを再生します。
Biped の歩き方にこれまでなかったバウンドが加わっています。
- [Biped]ロールアウトで
([ファイルを保存])をクリックします。ファイルに mywalk2.bip と名前を付けます。
腕と手のモーションを追加する:
腕と手のモーションは、歩行に不可欠な部分です。次の手順では、腕のモーションをカスタマイズするために、手を動かし、腕を回転します。
これまでの手順では[キーを設定]ボタンを使ってキーフレームを作成しましたが、ここでは代わりに[オート キー]を使用します。
- 前のレッスンを続けるか、前のセクションで保存した mywalk2.bip ファイルを
ロードします。
springystep.max を開いて、最後の手順の終わりから始めることもできます。
-
([オート キー])をオンにします。
- タイム スライダをフレーム 0 までドラッグします。
- タイム スライダを右にドラッグし、アニメーションのフレームをコマ送りで再生します。前後にドラッグし、腕と脚の振りを確認します。モーションに注意してください。
緑の足が伸びると、青い腕が前に振れます。青の足が振り出されると、緑の腕が前に振られます。どのフレームで手が最も前に出るかを考えてみます。
- ビューポートで、Biped の緑の手(Bip01 RHand)を選択します。
トラック バーに手のキーが表示されます。
- タイム スライダをフレーム 30 までドラッグします。
そのフレームにある手のオブジェクトのキーがトラック バーに表示されます。
- 手を右クリックし、クアッド メニューから[移動]を選択します。
変換ギズモを使って、手を Z 軸に沿っておよそ 10 単位上に移動します。
手を移動すると、腕の 2 つのボーンが回転します。手と腕のボーンのキーは、すべて 1 トラックに保存されます。
- Bip01 R UpperArm オブジェクトを選択して右クリックし、[回転]を選択します。上腕を Z 軸回りに –30 度回転します。
- 肘がボディから勢いよく離れるように、上腕を Y 軸回りに約 20 度回転します。
- 前腕オブジェクト(Bip01 R Forearm)を選択して回転し、手を胸に近付けます。
腕を配置するには、フォワード キネマティクスまたはインバース キネマティクスを使用します。フォワード キネマティクスでは親オブジェクトを回転し、インバース キネマティクスではつながりの終端の位置、この場合は手首の位置を変換します。手を回転することもできます。
- Biped の背後にあるもう片方の腕が見えるように、
([オービット])を使ってビューの角度を調整します。
- 青い手を選択し、右クリックして[移動]を選択します。手を移動して Biped のボディから離します。次に、青い手を Z 軸の上方向に移動して、肘を少し曲げます。
- アニメーションのタイム スライダを前後に動かして、これまでのアニメーションを表示します。
- フレーム 60 と 90 でこれまでのプロセスを繰り返します。
- フレーム 45 と 75 でもう一方の腕に対して同じ処理を行います。
ヒント:両腕の配置をまったく同じようにする場合は、[コピー/貼付け]ロールアウトのツールを使用します。両腕のアセンブリを選択してコレクションを作成し、[姿勢をコピー]および[反対の姿勢を貼付け]を使用して該当するフレームに反対の姿勢を貼り付けます。これらの機能の使用方法については、
簡単なフリーフォーム アニメーションを作成するを参照してください。
-
アニメーションを再生します。
mywalk3.bip と名前を付けて
保存します。
- 皮膚を持ったキャラクタで動作を確認するには、
\character_animation\quick_start\ フォルダにある dr_x_03.max を開き、保存した mywalk3.bip ファイルをロードします。動きを比較するために、\sceneassets\animations\ フォルダの distinctive_walk_final.bip をロードしても良いでしょう。[Biped]ロールアウトにアクセスするときは、Biped のパーツを選択することを忘れないでください。
頭部のモーションを追加する:
頭部のモーションを編集すると、Biped の歩き方がより自然に見えます。この手順では、頭部に回転を加えて重心の回転を強調します。
-
([オート キー])がまだオンになっていない場合は、オンにします。
-
([キー モード切り替え])がオフになっている場合は、オンにします。
- タイム スライダをフレーム 0 までドラッグします。
- パースペクティブ ビューポートで、
([選択して回転])を使用して Biped の頭部を選択します。
- Biped が眠っているように頭部を下に回転します。
- > キーを押して、タイム スライダを次のキーフレームに拡張します。
- 頭部を回転するキーフレームを作成します。肩の角度とつり合うように頭部を回転しても良いでしょう。または、逆方向に回転させて、重心の回転に合わせても良いでしょう。それぞれの回転の結果は異なります。極端に回転しないようにしてください。また、既存のキーのみが回転するように注意してください。
- 頭部のキーを確認していきながら、頭部をアニメートする回転を設定します。
頭部の自然な動きは滑らかなため、1 つのキーから次のキーへと方向を徐々に変化させます。
-
([オート キー])および
([キー モード切り替え])をオフにします。
- アニメーションを再生し、Biped の頭部の動きがアニメーションにどれぐらい追加されたかを確認します。
ここで、作業内容を mywalk4.bip という名前で保存します。ファイルを head_rotate_with.bip および head_rotate_against.bip と比較してチェックしても良いでしょう。これらの BIP ファイルは、両方とも \sceneassets\animations\ フォルダにあります。
完成版の歩行を見たい場合は、\scenes\character_animation\footstep_animation に移動して distinctive_walk.max を開いてください。