バックグラウンド イメージの追加とライティング効果
 
 
 

このレッスンでは、砂漠の風景のデイライト イメージを使用し、出力を調整して夜間のライティング条件を模倣し、結果をバックグラウンドとしてシーンに取り込みます。グレア効果を追加してライトの外観を向上させ、さらに数個のフォトメトリック ライトを追加して兵舎の屋内をライティングします。

レッスンの準備:

バックグラウンド イメージを追加する:

  1. [レンダリング]メニューを開き、[環境]を選択して[環境と効果]ダイアログ ボックスを開きます。[共通パラメータ]ロールアウトで[環境マップ]ボタンをクリックします(この時点ではボタンのテキストには「なし」と書いてあります)。

    マテリアル/マップ ブラウザが開きます。

  2. マテリアル/マップ ブラウザで、[ビットマップ]マップ タイプを選択します。([ビットマップ]は[マップ] [標準]グループにあります。)

    ファイル ダイアログ ボックスが開きます。

  3. ファイル ダイアログ ボックスで \sceneassets\images フォルダに移動し、desert.jpg をクリックしてハイライト表示し、[開く]をクリックします。

    このイメージは、日中に撮影された砂漠の風景です。

  4. [露出制御]ロールアウトで[バックグラウンドと環境マップを処理]がオフになっていることを確認します。

    このオプションをオンにすると、バックグラウンド マップそのものに露出制御が適用されます。ほとんどのビットマップ(ハイ ダイナミック レンジが保存されていない)の場合、それによってバックグラウンドや環境マップが見えなくなります。

  5. オブジェクトが何も選択されていないことを確認し、ビューポートを右クリックして、クアッド メニューから[選択以外を非表示]を選択します。
  6. Camera01 ビューポートをレンダリングします。

    すべてのオブジェクトを非表示にすると、バックグラウンド イメージのみがレンダリングされます。夜間のシーンに合うようにイメージを暗くする必要があることがわかります。

    [環境と効果]ダイアログ ボックスは開いたままにします。

バックグラウンド イメージを調整する:

  1. スレート マテリアル エディタを開きます。
  2. 左にある[マテリアル/マップ ブラウザ]パネルで[サンプル スロット]グループに移動します。
  3. [環境と効果]ダイアログ ボックスから[環境マップ]ボタンをドラッグし、未使用のサンプル スロットにドロップします。マップをドロップできるときは、サンプル スロットに赤いバーが表示されます。

    これをインスタンスにするかコピーにするかを尋ねられます。インスタンスが選択されていることを確認して[OK]をクリックします。

  4. [環境と効果]ダイアログ ボックスを閉じます。
  5. 環境マップのサンプル スロットをアクティブ ビューにドラッグします。

    もう一度、これをインスタンスにするかコピーにするかを尋ねられます。インスタンスが選択されていることを確認して[OK]をクリックします。

  6. アクティブ ビューでビットマップ ノードをダブルクリックして、右側のパラメータ エディタ パネルにパラメータを表示します。
  7. [出力]ロールアウトで、[出力量]を 0.033 に減らします。

  8. Camera01 ビューポートを再度レンダリングします。

    この結果、大幅に露出の低い、夜空を模倣したイメージ(映画でいう「day for night (昼間に夜のシーンを撮影)」のデジタル版)が作成されます。

    夜間のシーンに合わせて露出が大幅に低く設定された背景のビットマップ

  9. 任意のビューポートを右クリックしてクアッド メニューから[すべて表示]を選択し、 シーンを再びレンダリングします。

    シーンの背景に追加されたビットマップ イメージ

    背景に奥行きが加わり、興味を引くシーンになりました。

  10. スレート マテリアル エディタを閉じます。

グレア効果を追加する:

mental ray には、光のオブジェクトにリアルさを加えるために設計されたいくつかの特殊効果が用意されています。ここでは、軍の宿営地のライトにグレア効果を追加して、ライトと塵や周囲湿度との相互作用をシミュレートしましょう。

  1. ([レンダリング設定])をクリックします。[レンダリング設定]ダイアログ ボックスで[レンダリング]タブに移動します。[カメラ効果]ロールアウト [カメラ シェーダ]領域で、[出力]シェーダ切り替えをオンにします。

    シェーダ ボタンを見るとわかるように、mental ray のカメラ出力の既定値のシェーダは Glare シェーダです。しかし、既定値ではこのシェーダはオフになっているので、「手動で」有効にする必要があります。

  2. スレート マテリアル エディタを開き、両方のダイアログ ボックスが見えるように移動します。
  3. 左にある[マテリアル/マップ ブラウザ]パネルで[サンプル スロット]グループに移動します。
  4. [レンダリング設定]ダイアログ ボックスから[カメラ シェーダ] [出力]ボタンをドラッグし、未使用のサンプルスロットにドロップします。マップをドロップできるときは、サンプル スロットに赤いバーが表示されます。

    これをインスタンスにするかコピーにするかを尋ねられます。インスタンスが選択されていることを確認して[OK]をクリックします。

  5. [レンダリング設定]ダイアログ ボックスを閉じます。
  6. Glare シェーダのサンプル スロットをアクティブ ビューにドラッグします。

    もう一度、これをインスタンスにするかコピーにするかを尋ねられます。インスタンスが選択されていることを確認して[OK]をクリックします。

  7. アクティブ ビューで Glare ノードをダブルクリックして、右側のパラメータ エディタ パネルにパラメータを表示します。
  8. [Glare パラメータ]ロールアウトで、[Spread]の値を 2.0 から 0.5 に変更します。

  9. スレート マテリアル エディタを閉じます。
  10. 既存のレンダリング後のフレームの クローンを作成し、 シーンをレンダリングします。

    光源にグレア効果を追加してレンダリングしたシーン

    2 つのイメージを比較して、グレア効果を確認します。この効果はジープの上にある吊り照明で最も強調されています。

  11. レンダリング フレーム ウィンドウを閉じます。

右側の兵舎の屋内にライトを追加する:

  1. トップ ビューポートをアクティブにして、右手奥の兵舎が表示されるように ズーム拡大および パンします。

  2. [作成]パネルで ([ライト])をクリックします。[オブジェクト タイプ]ロールアウトで[フリー ライト]をクリックしてオンにします。
  3. 兵舎の出入り口付近にある、屋根の頂点をクリックして新しいライトを配置します。

  4. フロント ビューポートをアクティブにし、右側の兵舎の正面が見えるように ズームします。次に ([選択して移動])を使用して、ライト オブジェクトが床よりも上、なおかつ屋根よりも下の位置にくるように、Y 軸に沿って上に移動します(図を参照)。

    兵舎屋内のライトは蛍光灯なので、新しいライト オブジェクトは天井から約 2 フィート(約 0.6m)の高さにぶら下げます。

  5. [修正]パネルに切り替えます。[テンプレート]ロールアウトで、ドロップダウン リストを開いて[4ft 直管蛍光灯 吊り下げ (web)]を選択します。

    次にライトがキャストするカラーを設定します。

  6. [強度/カラー/減衰]ロールアウトで、プリセットのライト ラジオ ボタン(カラー温度「ケルビン」ではない方のオプション)が選択されていることを確認し、ライトのドロップダウン リストから[蛍光灯(ホワイト)]を選択します。

    このシーンには、4 本の蛍光灯で構成された標準的な照明器具が必要です。個々の蛍光灯を物理的に作成しなおすよりも、1 つのライト オブジェクトの強度に 4 を掛ける方が簡単です。

  7. [強度/カラー/減衰]ロールアウト [減光する]領域で、[結果として生じる強度]の値を 400 % (パーセント)に変更します。

  8. トップ ビューポートで、蛍光灯のインスタンスを 2 つ作成します。兵舎の長さに沿って均等に配置します。

  9. [一般パラメータ]ロールアウトの[シャドウ]領域で、天井灯がシャドウをキャストするようにシャドウをオンにします。

  10. Camera01 ビューポートをアクティブにして、 シーンを再度レンダリングします。

    右側の兵舎の屋内にライトを追加してレンダリングしたシーン

    右側の兵舎の内部が照明で照らされ、ライトが出入り口から漏れています。

作業を保存する:

まとめ

このチュートリアルでは、フォトメトリック ライトを使用して夜間のシーンをライティングする方法を学習しました。光源のカラーを指定して、影の付け方を定義しました。また、バックグラウンド イメージを選択し、バックグラウンド イメージの出力を調整し、夜間シーンの背景として適用する方法についても学習しました。最後に、ライトのオブジェクトに mental ray Glare シェーダを適用してリアルさを高める手順についても確認しました。