歩行サイクルは完成しましたが、さらに腕の振りなどの二次的な動作を加えることで、Biped の動きをよりリアルに見せることができます。このレッスンでは、この二次的な動作を追加します。また、Biped の軌跡を確認して動きを修正する方法も学びます。
シーンを設定する:
軌跡を表示する:
Biped では、それ自身の軌跡が表示されます。軌跡の表示を使用して、歩行サイクルで重心の動きを観察できます。また、ビューポートで、軌跡のディレクトリのキーを編集できます。
- [トラックの選択]ロールアウトから
([ボディ水平方向])をクリックします。
- [キー情報]ロールアウトで
[モーション パス]をオンにします。
COM のモーションパスを表す線がビューポートに表示されます。アニメーション中に COM はこのパスに沿って移動します。
警告:標準のモーション パス機能([モーション]パネルの上部付近にあるボタン)は Biped では使用しないでください。[Biped]ロールアウト

[モードと表示]拡張バー

[表示]領域または[キー情報]ロールアウトの[モーション パス]ボタンを使用します。
- タイム スライダを動かし、Biped の重心がその軌跡に沿って移動することを確認します。
- メイン ツールバーで
([選択して移動])ツールバーをオンにします
[モーション]パネルの上部で、[サブオブジェクト]をオンにして、モーション パス上の任意のキーをクリックします。
- 移動変換ギズモを使用し、適切な軌跡にキーを
移動します。
- [サブオブジェクト]と、[キー情報]ロールアウト
([モーション パス])をオフにします。
腕の振りを追加する:
キャラクタは、歩いているように見えるようになりましたが、まだ非常に不自然です。腕の振りを加えると、アニメーションが生き生きとしてきます。
腕の振りは脚と反対になります。右脚が前のとき、左腕が前になります。腕を前方向に振ると肘が曲がり、後ろに振るときはまっすぐに伸びます。
- タイム スライダを移動させて、腕の振りの位置を決めます。
右脚はフレーム 27 で伸びます。そこで左腕を振るようにキーフレーム化します。
-
([オート キー])をオンにします。
- フレーム 0 (ゼロ)で、左手をわずかに
動かし、キーを設定します。
- フレーム 0 (ゼロ)で、右手をわずかに
動かし、キーを設定します。
- フレーム 27 で、左手を前方向に振るように
動かします。
肘が多少曲がるように腕を配置します。[オート キー]がオンなので、腕を動かすことでキーフレーム化されます。
- [トラックの選択]ロールアウトから
([反対])をクリックします。
右手が選択されます。
- 右手を少し後ろに
動かし、腕を伸ばします。
現在、左腕は前方にあって少し曲がり、右腕は後ろにあってまっすぐになっています。
- フロント ビューポートで、Bip01 R UpperArm をダブルクリックします。
右腕全体が選択されます。
-
[モーション]パネルで[コピー/貼付け]ロールアウトを開き、
([姿勢をコピー])をクリックします。
-
([コレクションを作成])をクリックします。コレクションに walkcycle1 と名前を付けます。
- [オプションを貼付け]領域のすぐ上にある[スナップショットをビューポートからキャプチャ]をオンにします。
-
([姿勢をコピー])をクリックします。コピーされた姿勢に RArm back と名前を付けます。
- フレーム 37 で
([反対の姿勢を貼付け])をクリックします。
左腕が Biped の後方で動きます。
- フレーム 27 で、Bip01 L UpperArm をダブルクリックします。
左腕全体が選択されます。
- [コピー/貼付け]ロールアウトで、パースペクティブ ビューポートをアクティブにして
([姿勢をコピー])を再度クリックします。この姿勢に LArm forward と名前を付けます。
- フレーム 37 で
([反対の姿勢を貼付け])をクリックします。
右腕が体の前方で動きます。
-
([オート キー])をオフにします。
- アニメーションのタイム スライダを前後に動かして、アニメーションを評価します。
肩と腰に揺れを追加する:
キャラクタの手足や重心を動かしてアニメーションを付けしましたが、脊椎、腰、頭はまだ固定されたままです。肩と腰に回転を加えて、歩行サイクルを完成します。
- Bip01 Pelvis を
選択し、タイム スライダをフレーム 15 にドラッグします。
このフレームでは、左足が接地キーでロックされています。
腰の回転をどこに加えるかに注意してください。これまでに足で行った作業を不意に混乱させないでください。
脚を伸ばして前に振ると、腰はわずかに動作の方向に回転します。
- Y 軸を中心にして骨盤を約 -2 度
回転し、
キーを設定します。
骨盤は過度の回転を受け付けません。キーを設定すると、骨盤はロックされた足を反映してそれ自身を修正します。
- タイム スライダをフレーム 0 までドラッグして戻します。骨盤の
回転を Y 軸を中心に約 2 度戻し、
キーを設定します。
- 骨盤の
回転を X 軸を中心に約 -3 度戻し、
キーを設定します。
- タイム スライダをフレーム 32 までドラッグします。基点を Y 軸を中心に 4 度
回転し、
キーを設定します。X 軸に対してもこれを繰り返し、
別のキーを設定します。
- フレーム 39 に移動し、骨盤を再度 Y 軸を中心に –2 度
回転して
キーを設定します。
脊椎に対しても同じ手順で行います。フレーム 27 で、腕が一方向に振られます。フレーム 37 では、逆の方向に振られます。
- Biped の脊椎オブジェクト(Bip01 Spine)を
選択します。
- フレーム 27 で、腕の振りの方向に脊椎を
回転させてから、
キーを設定します。
- フレーム 37 で、X 軸を中心にして脊椎を約 12 度
回転し、
キーを設定します。
脊椎は 3 つのすべての軸を中心に自由に回転できます。各軸に対し調整ができます。前傾姿勢の歩行では、Z 軸を中心にして回転します。柔軟でばたばたする歩行の場合は、X 軸を中心にした回転を大きくします。
注: 脊椎のアニメーションの代わりに、鎖骨のアニメーションで肩を上下することができます。
ツイスト リンク モード:
[ベンド リンク]ロールアウトには、アニメーションに使用できるツールが含まれています。脊椎の曲がる動作やひねる動作をアニメーションするには、[ベンド リンク]または[ツイスト リンク]のいずれかを使用します。
-
([フィギュア モード])をオンにします。
[構造]ロールアウトで、[脊椎のリンク]を 5 に変更します。
脊椎のリンクは最大 10 個まで設定できますが、ツイスト リンクの効果を確認するには 5 つもあれば十分です。
-
([フィギュア モード])をオフにします。
-
([オート キー])をオンにします。
- [ベンド リンク]ロールアウトで[ツイスト リンク モード」をオンにします。
- Bip01 Spine オブジェクトを
選択します。これは、Biped で一番下にある脊椎です。
- フレーム 0 に移動し、オブジェクトを少しだけ X 軸を中心に
回転してキーを追加します。Y 軸についても同じ操作を行います。
- タイム スライダをフレーム 27 にドラッグし、脊椎が腕の振りに合わせて回転するよう、X 軸を中心に約 10 度
回転します。青の腕が前に振られるのに合わせて脊椎も回転します。
- 同様に、Y 軸を中心に -1 度
回転させてみましょう。
1 つ目の脊椎オブジェクトのほんのわずかの回転が、階層が上がるにつれ大きな効果になるのが分かります。
- フレーム 37 でも同様に回転を設定しますが、今回は緑の腕の外向きの振りに合わせるために、逆方向に回転させます。
作業を保存する:
- walkcycle_fullmotion.max という名前でシーンを
保存します。
まとめ
これでフリーフォーム アニメーションと IK コンストレイントを使用した、簡単な歩行サイクルのアニメーションは完了しました。
アニメーションの足跡機能を使用して、歩行サイクルを自動的に作成することもできます。トラックグループのフィルタ処理については、
特徴のある歩行の作成を参照してください。